2010年 アルミワイヤーハーネス販売開始
社会的・地球的課題への取り組み
2010年、住友電工は自動車向けアルミワイヤーハーネスの販売を開始しました。ワイヤーハーネスとは、電力供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にして集合部品としたものです。自動車の機能増加に伴い、搭載される電子機器も増加しています。これらの機器をつなぎ、さまざまな電気、信号を車内のすみずみまで伝達します。
住友電工グループは、戦後間もなくこのワイヤーハーネスの開発・生産に着手。1960年代、高度経済成長とそれに伴うモータリゼーションの波を受け、急速に生産を拡大しました。
そして近年、社会的・地球的課題とされるCO2排出削減として、自動車産業が取り組んだのが、エネルギー消費量の抑制であり、その実現のための燃費の向上です。エンジンの燃焼効率の向上と併せて、車体の「軽量化」が不可欠でした。ワイヤーハーネスに使用される電線は、導電性に優れた銅電線が一般的ですが、車体軽量化に応えるため、当社グループは高い強度と高い導電率を両立させた自動車専用のアルミ合金電線を開発し、同じ通電性能で銅電線の重量を半分に抑えることに成功しました。2010年販売時点では、耐振動性が銅電線に劣り、適用範囲がドアなどの室内配線や運転席周りのインストルメントパネル配線などに限定されていました。
2015年、当社グループの技術力を生かし、銅電線を超える強度を持つ高強度アルミ合金電線の開発に成功。これにより、エンジンの周囲など、振動が激しい部位へのアルミワイヤーハーネスの搭載が可能となりました。軽量化に加え、アルミは銅に比べ埋蔵量が数倍多いことから、資源の節約にも貢献しています。