インド初の直流XLPEケーブルによる超高圧直流送電システムの商用運転開始
住友電工とドイツのシーメンスエナジー社とのコンソーシアムは、インドで初めて直流XLPEケーブルとVSC*1方式の交直変換所からなる超高圧直流(HVDC)送電システムを建設、2021年3月に商用運転を開始しました。
本プロジェクトは、インド南部の電力供給不足の解消および送電系統の安定を目的に、同国南部の交直変換所間214kmに、地中ケーブルと架空送電線からなる2,000MWの送電システムを構築するものです。超高圧直流送電においては、直流XLPEケーブルと架空送電線の混成線路はケーブルへの負荷が高いために技術的難易度が高く、世界中で運転実績は2件しかありません*2。今回、当社は独自に開発した直流XLPE絶縁材料*3を用いて直流XLPEケーブルを製造、布設し商用運転開始に至りました。
2022年までに175GWの再生可能エネルギーによる発電容量の達成を目標としているインドにおいて、本システムはその実現を支える重要なインフラとなるとともに、再生可能エネルギーの効率的な利用の促進に寄与します。当社およびシーメンスエナジー社は、本プロジェクトをはじめ、世界各国で培った経験と互いの強みを生かし、今後も高品質かつ安全な製品・技術の提供に努めるとともに、クリーンエネルギー社会の実現に貢献してまいります。
*1 VSC(Voltage Sourced Converter):自励式交流直流変換器。従来型の他励式変換器(LCC=Line Commutated Converter)に比べて建設スペースが小さく、近年欧州を中心に採用が拡大している。
*2 いずれも当社が日本で納入した案件。
*3 独自に開発した直流XLPE絶縁材料:電源開発株式会社(現・電源開発送変電ネットワーク株式会社)との共同開発です。