パワーシステム研究開発センター

電力インフラ分野の技術変革(再生可能エネルギー活用拡大、情報通信技術を用いた電力インフラの高度化)に対応した新技術、新製品を開発しています。具体的には、スマートグリッド(次世代電力網)の構築に必要不可欠な要素技術・製品・機器・システムの研究開発を推進しています。

redoxflow battery

レドックスフロー電池

再生可能エネルギーの安定利用を支える

再生可能エネルギー発電を利用する電力系統では、その発電量の変動に応じて電力を貯蔵・放出する蓄電池の役割が特に重要になります。レドックスフロー電池は、不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用を目指すスマートグリッドに最適な蓄電池と考えています。市場投入実績を持つレドックスフロー電池について、本格的な実用化を目指し、製品開発を進めています。

Power control system

電力制御システム

太陽光発電等の再生可能エネルギー、蓄電池を最適制御して電力系統との連系運転、または、電力系統と独立した自立運転を行うための電力変換装置であるパワーコンディショナをパワーエレクトロニクス技術を用いて開発しています。

Superconducting tape

薄膜超電導線

高電流密度・高結晶性を維持しつつ、独自のコーティング技術で低コスト化を実現

RE系高温超電導線材は、わずか0.13mmの厚み、4mm幅の断面積に-196℃の液体窒素温度において200 Aの電流を流すことが可能です。独自に開発した低コストなコーティング技術により高度な結晶性と高い電流密度を実現、ケーブル、電磁石、NMR(nuclear magnetic resonance)、MRI(magnetic resonance imaging)など幅広い分野への応用が期待されています。

cpv

集光型太陽光発電装置

次世代の太陽光発電システム

集光型太陽光発電装置(CPV)は、発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約2倍であり、又、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。当社が開発したCPVでは、従来のCPVに比べ、パネルの薄型化・軽量化を実現しています。

新エネルギーシステム

脱炭素化・エネルギー地産地消・レジリエンスに向けたエネルギー管理システム

新エネルギーシステム・アーキテクチャ(sEMSA®)により、普及の進む太陽光発電や蓄電池(定置型、車載)などの分散電源を最適に制御、再エネ比率向上に貢献します。また、アグリゲータ向けに需要家を束ねてエネルギー資源を一元管理し、デマンドレスポンスなどで需要電力を調整することで、電力系統の安定化を図ります。脱炭素化・エネルギー地産地消・レジリエンスに向け、需給一体型EMSシステムや地域マイクログリッドシステムへの適用も可能です。

新エネルギーシステム
新エネルギーシステム

* Wi-SUN は、Wi-SUN Alliance, Inc. の商標または登録商標です。
* Wi-Fi は、Wi-Fi Alliance の商標または登録商標です。
* ECHONET、ECHONET Lite は、一般社団法人エコーネットコンソーシアムの商標または登録商標です。

電力応用システム

電力線通信(PLC)を応用し、スマートメータ用通信モジュールやメガソーラー用ストリング監視システムなどの開発を行っています。ストリング監視システムは、発電電力を測定するための電流や電圧センサーによるセンシング部、およびセンサーデータを伝送するPLC通信部を備えています。電力線を活用することで、新たな通信線や装置に必要な電源線の布設が不要となり、低コストで信頼性の高いシステムが構築できます。今後もPLC、無線通信技術やセンサを応用したIoTとともにAI等を活用した電力設備監視システムの開発を進めます。

電力応用システム
電力応用システム