id特別企画~「中期経営計画2025」の要諦~

さまざまな困難に直面し、大きな変革期を迎えつつある社会経済

私たち住友電工グループは、1897年の創業以来、住友の銅事業から派生した電線・ケーブル事業を礎として、さまざまな技術を大樹の如く進化させ、「安心・快適」な社会に貢献する、インフラ関連やさまざまな産業を支える、そして高機能、高性能な製品を提供してきました。また、住友家第二代総理事・伊庭貞剛の「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、社会を利する底の事業でなければならぬ」という言葉にあるように、常に公益との調和、社会課題の解決に取り組む経営姿勢は、住友電工グループにも色濃く受け継がれています。
一方で現代社会は、地球温暖化の深刻化や感染症の流行、自然災害や紛争など、さまざまな困難に直面しています。
また、GX*1、DX*2、CASE*3といった社会・産業の大変革は、今後も一層進展していきます。
住友電工グループは、いずれの分野においても豊富な事業経験を有し、技術面でもこれまでの蓄積に基づく優位性があり、これら大変革は持続的成長に向けた千載一遇のチャンスだと考えています。
こうしたことを踏まえ、的確、迅速かつ柔軟な対応が求められる大変革期において、住友電工グループの大きな方向性を示し、グループ全員のベクトルを合わせるため、昨年5月、2030年を節目とする長期ビジョン「住友電工グループ2030ビジョン・略称 2030ビジョン」を策定しました。「2030ビジョン」では、創業以来の「安心・快適」な社会の実現に加え、「グリーン」な環境社会の実現にも、グループの総力を挙げて取り組むことを明記しました。

25M全体コンセプト

そして、今般策定した「中期経営計画2025・略称25M」は、住友電工グループのありたい将来像「Glorious Excellent Company」の実現に向けた、長期ビジョン「2030ビジョン」の最初のマイルストーンという位置付けになります。「25M」の全体コンセプトは、「つなぐ・ささえる技術でグリーン社会の未来を拓く」をスローガンに、技術を更に進化させ変革の時代に挑戦していく事業の「成長戦略」と、経営基盤を更に強化し変化に強い企業体質を構築する「基盤強化」の両輪を、グループの総合力で着実に前に進め、中長期的な企業価値の向上を目指すというものです。

*1:「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略であり、化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換するための変革。

*2:「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略であり、進化したITを普及させることで人々の生活をより良いものにしていく変革。

*3:「Connected(コネクティッド)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared & Services(カーシェアリングとサービス)」、「Electric(電動化)」の頭文字を取った造語であり、パワートレイン(動力源)、エコロジー(環境保護)、セーフティ(安全・安心)、インテリジェント(情報)などの革新によりクルマ社会の再構築を目指す変革。

全体コンセプト
全体コンセプト
全体コンセプト

サステナビリティの取組みを強化して、ステークホルダーの皆様との共栄を図ります。

25M 成長戦略

成長戦略では、脱炭素社会の進展や情報化社会の進化を背景に、「エネルギー」、「情報通信」、「モビリティ」の各注力分野において、特に伸長が期待できる製品・サービス群9つを「成長テーマ」とし、各セグメントの多様な製品群でこれらテーマに関する事業機会を確実に捉えていきます。そして、2025年度には「成長テーマ」関連の売上高を、2022年度対比4,000億円増の約1.1兆円規模にする計画です。また、住友電工グループには電線・ケーブル事業を礎に進化させてきた技術系譜に連なる、利益率だけでは測れない、社会を支える重要な事業があり、今後もそれらの事業を育成していく使命があると考えています。

注力3分野
注力3分野
注力3分野
主な指標と目標
主な指標と目標
主な指標と目標

マルチステークホルダーキャピタリズム

「2030ビジョン」では、「住友事業精神」と「住友電工グループ経営理念」という、これまで受け継いできた不変の基本方針を再確認しつつ、当社の経営方針として、「公益を重視し、ステークホルダーの皆様との共栄を図る」ことを掲げています。そして「25M」では、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上には、マルチステークホルダーの皆様との協働が不可欠であり、成長の成果を着実に、「お客様」、「従業員」、「お取引先」、「地域社会」、「株主・投資家」というマルチステークホルダーの皆様に還元していくこととしています。このことを「マルチステークホルダーキャピタリズム」の実践として、全体の財務の指標とともに、具体的な指標・目標を示しました。これは「25M」の大きな特徴だと自負しています。

現在、住友電工グループは、世界各国、各地域の400社を超えるグループ会社、約29万人の従業員からなり、グローバルに事業を展開しています。今後もグループ人材の個々の特性や能力を最大限に活かして、組織としての活力と競争力の強化に取り組み、ステークホルダー皆様のご期待にお応えできるよう、「25M」の達成に取り組んでまいります。
この場をお借りして、改めて当社グループへの一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2030ビジョンの詳細はこちらをご覧下さい。

2030ビジョン

25Mの詳細はこちらをご覧下さい。

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